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映画「素晴らしきかな、人生」の感想:人生について再度考えさせられる【ネタバレなし】

2017年に公開された映画、「素晴らしきかな、人生」

プラダを着た悪魔」のデビッド・フランケル監督とウィル・スミス、ケイト・ウィンスレットキーラ・ナイトレイといった豪華俳優陣が描く、心温まるヒューマンドラマ。

あらすじ

ニューヨークのとある広告代理店で働いているハワード(ウィル・スミス)。仕事もプライベートも上手くいっていた彼だが、最愛の娘を失ったことで、人が変わったように仕事も何もかもやる気がなくなってしまい、生きる希望も失ってしまった。会社も危ない状態の中、同僚3人(ケイト・ウィンスレットエドワード・ノートンマイケル・ペーニャ)もハワードと会社の心配をしている。そこで同僚達は3人の舞台俳優と出会い、ある作戦を思いつく。ハワードはいきなり目の前に現れる奇妙な人物たちに困惑しながらも、彼は徐々に心を開いていく。また、同じくして同僚3人も悩みを抱えていた。果たしてそれぞれの人生はどう変わっていくのか。

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映画情報

タイトル:素晴らしきかな、人生(原題 - Collateral Beauty)

監督:デヴィッド・フランケル

出演:ウィル・スミス、ケイト・ウィンスレットキーラ・ナイトレイエドワード・ノートンヘレン・ミレン ほか

公開日:2017年02月25日

上映時間:97分

配給:ワーナー・ブラザース映画

 

感想

愛とは、時間とは、死とは。

まずみんなに知ってもらいたいのは、この映画は愛・時間・死をテーマにした寓話であるということだ。これら3つは抽象的な概念であり、この世にモノとして存在していない。

この映画を観終わった後に感じたことは、人間の人生において愛・時間・死とはいったい何か。人類が勝手に都合の良いように創り出した概念なのではないか。それぞれ定義を調べてしまうほど、惹き込まれるストーリーだった。

愛は、相手を大切に思う気持ちのことを言うのだろうか。愛は一方通行、見返りを求めないのが愛。とはよく言われるが、私もその通りだと思った。たとえ向こうが自分に興味がなく愛がないからといって、自分の相手に対する愛がなくなるとは考えにくい。それでなくなる場合はそもそも愛と呼べるものではない違う何かだったのだろうと思う。

時間についてはよく考えてしまう。1日24時間が全人類に平等に与えられているが、結局はその与えられた時間をどのように使うかはその人次第であるため、人の数だけ違う結果が存在する。映画でも時間についてはいくつかの視点から描かれているように思えたが、私が一番感じたことは、時間の使い方で人生が良い方向に向かうか悪い方向に向かうかは決まり、それは他者からの影響もあるだろうが、最終的には自分の決断が大きく影響するということ。どんなに人生がどん底でも、考え方一つで180度ひっくり返ることもあると感じた。

死は明確な定義があるように思えるが、生命が存在しなくなったとしても人々は亡くなった人のことを忘れずに生き続けているだろう。当たり前だが、死は自分が生きている限り経験することはできない。だが、「死」を経験したところで、これが「死」だと認識することもできないだろう。なぜなら死んでしまっているから。主演のハワードは娘を亡くして生きる活力を失ってしまったが、自分はまだ大切な人を失くしたりそのような経験をしたことがないので、実際にどのような感情の変化があるのかは分からないが、彼のように仕事も何も手付かずになるのだろうと想像はできる。そこからどのように立ち上がっていくのか、そのヒントはこの映画は持っている気がした。

人生は一度きりだが、何度でもやり直すことができる

人生は一度きり。

後悔のないように生きよう。

この言葉はごもっともだと思うが、もう少し深く掘り下げる必要がある。

人生は一度しかないが、その人生の中でいくつもの新しい挑戦や経験をすることができる。自分の考えとしては、受験や就職、仕事が上手くいかなかったくらいで人生終了などとは到底思えないし、思ったこともない。確かにその時はすごい落ち込むし、この先不安で悲観的になる。ただ、明日は黙っていてもやってくる。

時間は一度きりの人生をどう過ごすか決めるためにある。

どんなに嫌なことがあっても、立ち直ってまた新たに人生をスタートすることができる。人生は決断の連続だと日々感じている。映画の各登場人物も小さな決断から、人生を変えるような大きな決断まであるが、それによって自分だけでなく周りをも変えてしまうことがあり、人生は一度きりだからといって何をしても良いわけではない、自分の人生は自分だけのものではないと深く感じた。

登場人物全員が主人公

この映画はウィル・スミス演じるハワードが主人公として進んでいくが、出てくる全員が主人公だと思って観た方が楽しむことができるだろう。

お互いの人生が並行して進んでいき、ハワードはもちろんのこと、同僚もそれぞれ違った悩みを持っている。各視点でストーリーを見るとまた違う感想を持てる気がする。そのため、97分という上映時間は少し短く感じてしまった。もう少し細かい描写や物事について深掘りをしてほしかったが、よくまとめられていると思う。

ウィル・スミスの演技はとても良かった。シーンごとに微妙に表情が変わり、その時の心情を表していて、何気ない仕草も意味があるかのようで素晴らしかった。

最後に

抽象的なテーマで観る人によって感じ方が変わるとても面白い映画。人生について色々と考えさせられる。

冬のニューヨークの風景は素敵でいつか行ってみたい。

最後は気づいたら号泣してました。。

ここまで読んでいただきありがとうございました!